HOME » Dr,ノー(米山先生) » 第46回 真剣に好きな人が「二人」います(2009.07.17up)


真剣に好きな人が「二人」います。
もう5年、お付き合いをしている彼氏がいます。
彼氏のことはとっても好きで、いずれは結婚をしてもいいな~っと思っていたほどです。
その一方で、会社の同僚から告白を受けました。それ以来、気になる存在となり、真剣な気持ちをみていると好きになってしまいました。
彼氏も好きで会社の同僚も好き。
どちらかを選ばなければいけないのですが、決めようとすると涙があふれ出し決められません。とっても辛いです。彼氏はこのことを何も知りません。同僚は全部を知ったうえで付き合ってほしいと言ってくれています。どうしたらいいのでしょうか?
(26歳・女性)

今回の恋愛症状は 「脳は同時処理が苦手。」

同時に二人を好きになるのは、脳の仕組みからいえば、非常に難しいことです。
恋愛の対象は常に一人なのです。
あなたは、彼に恋していながら、同僚から迫られて、それで心が動いているとすれば、彼への愛情がどこまで本物かということでしょう。
恋愛ではなく多くの男性と付き合うのは、可能でしょう。しかし、本当の恋愛は、脳科学的には一人の相手しか好きになることはできません。
恋愛中の脳は扁桃体という場所が興奮して、そこでドーパミンが分泌されています。
それにはやはり相手は一人でなければ難しいのです。
つまりあなたは大脳皮質での理性的な恋をしている、ということになるのでしょう。
相手が好きでいてくれるから好きにならないといけない、そんな気持ちではないでしょうか。
恋愛は理性を取り去ったもっとも欲望的なものです。どちらにしようか迷うとすれば、それは理性的な恋ということでしょう。
もちろんそれがいけないということではありません。
恋愛が結婚という目的の手段と考えるなら、むしろどちらの相手が、自分にとって将来有益かと判断するのもいいでしょう。
感情的になって勢いで結婚すると後悔する場合も多いものです。
自分のとって将来どちらが有利な人か、そんな判断で相手を決めてもいいのではないでしょうか。
ただし燃えるような恋愛を求めるなら、いまのあなたの脳の状況では難しいということでしょう。
つまり、本当に恋愛のスイッチが入ってしまえば、どちらの相手を選ぶか迷うことはないからです。
この恋愛症状への処方としては、
①一万円の買い物で迷ってみる
一万円の買い物をするのに、何軒もお店を見てまわりましょう。
店を回れば回るほど、喪失感が強くなってきて、満足感は低くなるはずです。
多くの選択があることは幸福とはつながらないことを実感すべきです。
②リンゴを半分に切ってみる
どんなに正確に半分に切っても、均等になることはありません。つまりリンゴ自体が均等ではないからです。
あなたが選択しようとしていることに似ています。どちらかを選ぶということは、結局どちらかが傷つくということです。
③熱中できるものがあるかどうか
趣味でも仕事でもいま熱中できるものがあるか試してみましょう。
もしあるとすれば、あなたの恋愛は本物ではないということですし、熱中できなければ、いまの恋愛は本物です。
脳の中を二つのことが占拠することは非常に難しいのです。

作家、医学博士。診療を続けながら、医療エッセー、医学実用書、医学ミステリーなど幅広く著作活動や講演を行っている。新刊の『格差医療の時代』(ちくま新書)、『脳がどんどん若返る生活習慣』(ソフトバンク新書)など、その書籍の数は現在までに200冊を超える。
■ホームページ http://yoneyone.com/