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M’sブライダルジャパンは、コースによって事務所の住所や連絡先が違う。そして客が直接訪れるカウンセリングルームも別になっているから、その時点で混乱してしまう。しかし客が訪れるのは、ほとんどカウンセリングルームだから、その場所さえ押さえておけば問題はない。
初めての電話で案内されるカウンセリングルームには、六本木一丁目駅から直接地下道を歩いて向かうことができる。 「駅で降りたら、一番出口のほうに向かってください。すると正面にT-CUBE(ティーキューブ)が見えるので、手前で左に入ってください。そこにオークウッドレジデンスというマンションがありますが、オートロックになっているので、そこの●●号室の部屋番号を呼び出していただくとMという女性スタッフが出迎えます」
電話では、こんな風に説明される。ただ、その場所に初めて行く人にとっては、「一番出口」と「T-CUBE」と「オークウッドレジデンス」を覚えるだけで精一杯。
そして実際に向かうと、確かに一番出口を抜けた先にはT-CUBEの文字がある。しかしT-CUBEの自動ドア付近はサラリーマンの出入りが目立っているため、左の入り口がどこにあるのか分かりにくくなっている。そこで結局T-CUBEに入るしかなくなり、その辺の警備員さんに場所を尋ねるしかなくなる。すると、今来た通りに入り口があることを教えられた。
警備員さんに教えてもらった場所へ向かうと電話で聞いた場所には、あまりにも目立たない入り口があった。初めて行く人が見つけるのは難しい目立たなさ。自動ドアをくぐり、オートロック手前でインターホンを押すと、女性カウンセラーが対応しマンションのドアが開いた。エレベーターでカウンセリングルームのある上階を目指す。ところが、ここでまた困難が待ち受けていた。
エレベーターには、行きたいと思う階数のボタンがついていないのだ。高層ビルなどは階数によって乗るエレベーターが違っているが、どうもそういうエレベーターでもない。困ったところで、とりあえずエレベーターで行ける限りの最上階へ向かう。
そこに降り立つと、全面ガラス張りのジムのような部屋の前を通過、ホテルのロビーのような場所が見える。そこにいた女性スタッフに改めて尋ねると、それより上の階には別のエレベーターに乗り換えないと行けないという。さらに上の階へ向かうエレベーターに乗るためには、マンションのスタッフが待機するロビー前を通過するため、不審者の侵入を抑制することが可能。実際に私もウロウロ迷っていると、どちらへ行くのかと行き先を尋ねられたくらい。
そうしてようやく辿り着いたカウンセリングルームのある階。ところが、部屋を探すのもなかなか面倒なのである。何しろ表札というものがない。もし、この階に辿りつくまでに部屋番号を忘れてしまったら、玄関のピンポンを押す前にもう一度ロビーへ戻ることとなる。幸い、私は部屋番号を覚えていたから、その必要はなかったけれど、M’sブライダルジャパンを検討中の人は、ぜひぜひ気をつけてもらいたいところだ。
カウンセリングルームは、マンションの一室だった。テレビやソファーが置いてあり、アットホームな雰囲気である。窓辺には雛人形、カウンセリングを行うテーブルの上にはウエディングドレスを着たバービー人形、ほかにもぬいぐるみや家族の記念写真などが散在している。
家庭的な雰囲気が漂うのは、夫婦経営しているからだろうか。用を足すためにバスルームを借りると、そこには子供の洋服やバスタオル、化粧品などが置いてある。あまりに整理されておらず生活感たっぷり。これには、不愉快な気持ちになる人もいればアットホームな雰囲気に安らぎを覚える人もいるだろう。
高層マンションの上階とあって、そうそう見ることのできない高層の風景を楽しめるのは、高いところが苦手じゃない人にはラッキーだ。ここの部屋は窓が一面ガラスになっており、夜はとくに六本木の夜景を見ることができる。アットホームな雰囲気の部屋で六本木の夜景を見るというのも、オツなものだ。
カウンセリングは、M’sブライダルジャパンを経営するご夫婦のうち、奥さんがほぼ1人で行っているという(ただ、男性のスタッフがよい場合には、男性スタッフが対応することもある)。
彼女は40~50歳代で、バブル時代の残り香を感じさせる派手なタイプ。子持ちの母親とは思えない色気を放っている。肌けた肩からはチラリとブラ線が見え、前屈みになるとローライズの腰付近から編みタイツが見える。気だるさを漂わせるこの女性スタッフは、一般的な結婚相談所のカウンセラーとは少々様子が違う。
お高く止まっているわけでもなく、入会を強引に進めようとしたり訪問者のペースを乱したりすることはない。でも、こちらから質問していかないと、話が止まってしまう。
さらに順序立てて話を進めるのが苦手なのか、話題があちこちに飛んでしまう。コース説明をしていたかと思えば、いきなりパーティーの話題をするなど、初めて話を聞く人は上手に飲み込めない話し方。
説明のスタイルは決まっていないようだ。PCもメモも使わずパンフレットのみで話を進めるため、メモ帳を持参して自分なりに記録を取りながら理解するなどの工夫が必要。そして事前に手元に入手した情報やパンフレットがあれば、何を聞いておくべきか前もって考えておいたほうが良いかもしれない。
M'sブライダルジャパンには、若者向けの「ブライダルNANA」と標準タイプの「ブライダルJAPAN」、顔出しをしたくない人のための「ブライダルエグゼクティブ」という3つのコースがある。それぞれパンフレットや独立したサイトがあり、お店の所在先も違っている。そのため形態を理解するまでに混乱するが、カウンセラーの説明を聞けばほかの相談所と同じくコースに分かれているだけなのだ。
いちばん分かりやすい違いは料金。「ブライダルNANA」は、入会金5万円。「ブライダルJAPAN」は入会金10万~20万円で、「ブライダル エグゼクティブ」は20万~35万円である。そして共通しているのが、小規模の結婚相談所が提携しているお見合いネットワークの「良縁ネット」。
「ブライダルNANA」は、お相手を検索するだけで使用料金が発生する。「ブライダル JAPAN」はお相手検索が自由に行え、料金の支払い方の違いで2つのコースに分かれる。入会金が安い代わりに1回ごとのお見合い費用や月会費が発生するスタンダードプランAコースと、入会金がAコースの倍の値段だが、月会費とお見合い費用はゼロというスタンダードBプラン。月に何度もお見合いしたいという場合にはBプランのほうが良いようだ。
「ブライダル エグゼクティブ」でも、2つコースが分かれている。「エグゼクティブコース」は、入会金が20万円で成婚料が30万円ともっとも高額。「良縁ネット」での検索以外に、お店側からのカラー写真つきプロフィールが月に2回届き、さらに希望条件に合うお相手がいたら紹介もある。もう一方の「プレミアコース」は、入会金が35万円で成婚料が10万円。「エグゼクティブコース」のようにお店側からのプロフィール紹介はないものの、積極的なお相手紹介がある。
スタッフがどれだけケアをしてくれるかで値段に差が出ている。
M’sブライダルではネット活動以外にも、パーティーや会報誌「新会員ニュース」の発行もあるのだが、それらが「良縁ネット」が提供する情報ということもあり、カウンセラーはほとんど説明ができない状態。しかもパーティーに関しては、ほとんど開催されていないし、あまり参加はお勧めできないとまで言われた。正直なのはよいことだけれど、お勧めできないようなサービスのある結婚相談所に入りたいとは到底思わないだろう。
となると、ここの結婚相談所では、お世話を焼いてもらえる「エグゼクティブコース」に入らない限り、検索以外にできることってないんじゃない?と思ってしまうのだ。ウソは良くないとしても、入会しようとしている客が前向きに活動したくなるような説明の仕方が必要であると思われる。
入会する際には、相談所指定の契約書、入会申込書、住民票、独身証明書、卒業証明書、プロフィール用写真の6点を揃える。他社では、証明書関係の書類はなかなか取得しないものだからと、取得の仕方をていねいに教えてくれる。店によっては、時間のない入会者のために代行で取得するサービスを行っているところもあるのだ。しかし、M’sブライダルでは一切取得方法などについて教えてくれることはない。
提携している写真スタジオは、オーネットと同じ「オプシス」というスタジオだ。料金は女性が8,400円で、男性が6,615円の別料金で撮影する。写真が揃わなければ自分のページを持って活動することができないため、撮影はなるべく早めに行うことが大切だ。
こうして一通りの書類を提出するのだが、M’sブライダルでは全ての原本を返却してくれる。多くは住民票や独身証明書などの書類を提出したら、結婚相談所側の手元に保管されることとなる。個人情報などを重要視しているM’sブライダルでは、「大事なものですからね」とコピーを取ったあとすぐに返却してくれるのだ。もちろん自身のプロフィールページに使用する写真も、希望すれば返却してくれる。
M’sブライダルジャパンは契約書さえ提出してしまえば、独身証明書などの提出や入金を済ませていなくても即日から活動可能だ。そのスピードは、結婚相談所の中でも群を抜いているといってもよいだろう。
早ければ、入会契約書を提出した30分後には会員ナンバーとパスが発行される。そして、入会日の当日からお見合い申し込みが可能で、お相手からの申し込みが来ていることもある。
証明書関係の書類提出や、入会金の支払いが遅れても連絡を入れれば大丈夫。しかし逆をいえば、入会手続きが整っていない中で活動をスタートできてしまうと、会員や結婚相談所の質に不安を抱いてしまう。
どこの相談所と比べても、M’sブライダルジャパンほどカウンセリングルームが厳重な場所はないだろう。そして、ここのセキュリティが厳重なのは、「ブライダル エグゼクティブ」というコースがあるからだ。
もちろん、個々の会員の個人情報を重要視しているという面もあるだろうが、基本的に「M’sブライダル エグゼクティブ」へ入っている会員は、顔出ししたくない人たち。カウンセラーの説明によれば、顔がブサイクだから出したくないのではなく、「お医者様や大学教授の方など、知名度が高く、お顔が知られている人が入っていらっしゃるコースです」ということなのだ。つまり世間的に顔が売れてしまっているため、結婚相談所に出入りしていることやほかの会員と顔を合わせたくないという思いの人が、「ブライダル エグゼクティブ」には多いという。
だからこそカウンセリングルームは、カウンセラーと会員のマンツーマンでしか対応をしていない。もし会員同士のカウンセリング時間がかぶるようであっても、マンション内には待機できるロビーが設置されているから、カウンセリングルームで顔を合わせることは基本的にない。
これほど厳重なセキュリティを完備しているにも関わらず、その活動内容は薄っぺらな気がしてならない。顔出ししたくないほど有名な人たちが、ほんの数千人の会員の中から自分のパートナーを選ぶことを考えるものなのだろうか。そこまで有名な人たちが相談所に来るほど結婚相手に困っているものなのだろうか。
例えば、顔出ししていない「エグゼクティブコース」の会員が顔出ししているコースの会員に申し込む。すると、申し込まれた方は顔出しナシの会員の顔写真を店側に要求して、ルックスを確認することが可能なのだ。その場合、どんなに有名な人だろうが見られてしまうというわけだ。
また、セキュリティや個人情報に気を配っていると言いながら、まだ会員でもない訪問者に実際の会員プロフィールを見せているのはいかがなものなのだろうか。これは「良縁ネット」の検索システムを利用したお相手探し方法を説明する際に、PC画面上で見せられる。訪問者としては、実際の会員の様子を見ることができてラッキー。しかし実際に自分も会員になったら、会員でもない人に自分のプロフィールを見られているかもしれないということになる。