HOME » 自腹で潜入レポート » この相談所の潜入レポート » エムズブライダルジャパンお見合いレポート①「2度目の正直!?」
この日のお見合いは、夕方の17:00に某シティホテルで行われる。平日だけれど午後は休みだったため、お見合いをOKした。退社後にランチを済ませ、夕方からのお見合いに向けて全身全霊を注いで自分磨きに取りかかった。
まず、今日のお見合いにふさわしいワンピースを駅近くの店で探す。色とりどりの洋服から、自分にピッタリの一着を見つけたときは、すでに3時半。疲れたので、喫茶店に入って休憩することにした。
ところが、ひと休みしているところで、携帯電話がないことに気づく。携帯電話がなくては、連絡の取りようがない! 慌てた私は、急いで探すことにした。
落とし場所が分かり、ようやく手元に携帯電話が戻ってきたのは、探し始めて1時間が過ぎた頃。
この後どんなに頑張ってお見合い会場に向かっても、待ち合わせ時間に遅れることは確定だ。
私はお見合い相手の連絡先を知らないから、遅れることを伝えるには相談所に電話する必要がある。私は手帳にメモしてあったM'sブライダルの番号に、さっそく電話をかけてみた。しかし電話の呼び出し音は鳴るばかりでまったく繋がらず、最後は留守電に切り変わった。
以前からM'sブライダルのスタッフの電話対応は遅いと思っていたが、こんな緊迫状態のときすら電話口に出てもらえないと苛立ってくる。何度も電話をかけたけれど、結局誰も出なかった。そこでM'sブライダルの経理の番号にかけてみた。10回ほど鳴らしたあと、ようやくスタッフが出た。
「トラブルが発生したから、今日のお見合いには30分ほど遅れる」との用件を伝えると、スタッフは「お相手に伝えます」と返答。時間には遅れてしまいそうだが、なんとか取り次いでもらえるようだ。
携帯を探していた間ずっとヒール靴で歩いていたから、すでに足のうらはヒリヒリと痛くなっているが、気にしている場合ではない。遅刻は確実だから、急いで向かう必要があるのだ。
ようやくホテルにたどり着いたときは、約束の時間をとっくに過ぎていた。しかも、ずいぶんと歩いた私は、顔も体も汗まみれ。お見合いに来たとはいいがたい、とても悲惨な状態だ。
ともかく、先ほど買ったワンピースに着替えることに。お相手とは初対面だから、きちんとした格好で会いたい。メイクを直しながら携帯をチラっと確認すると、たくさんの着信が! 何かのトラブル?
気になっているところへ、ちょうど電話が鳴る。M’sブライダルジャパンのスタッフだ。
私:「はい、もしもし」
スタッフ:「先ほどお電話いただいたM’sブライダルジャパンです。実は先ほどのお電話にありました本日お見合い予定のA様に遅れると伝える件ですが、お電話番号が分からなくて伝えていません。ですので、なるべくお早めに向かっていただければと思います」
え……。この発言には、驚かずにいられなかった。
入会時、お見合いに遅刻しそうな場合は事前に電話をすれば、会社を通じてお相手に取り次ぐと言っていたはず。なのに、連絡先が分からなくて伝えられないってどういうこと!?
こうして連絡が入っていない間、Aさんは何の事情も分からないまま待つしかなくなっている。もしくは、Aさんが気の短いタイプだったら、怒って帰ってしまうだろう……。
M’sブライダルからの電話を切ったところで、簡単に身支度を整えてロビー階に向かった。
すると、壁にもたれている男性の姿を発見。大きくてがっちりした姿は、プロフィール上で見たサイズイメージとジャストフィットしている。あとは顔を確認するだけ。近くまで寄っていくと、本人に間違いない。“おにぎり君”だ。
“おにぎり”に似ているくらいだから正直イケメンじゃないけれど、私が初めてのお見合いにAさんを選んだ理由は、Aさんとの接触が初めてじゃないから。というのも、Aさんにお見合いを申し込まれるのは、これで2回目。実は以前に私が入会していた別の結婚相談所でも、申し込まれたことがあるのだ。そこを退会して新しく入った相談所でも、また申し込んでくれたのである。
この偶然には驚いてしまうのと同時に、2度も申し込まれれば、さすがにどんな人なのか気になってくる。顔はおにぎり君でも、もしかしたら私にぴったりの運命の人かもしれない。会って確かめたくなったのだ。
軽く自己紹介を済ませ、ロビー近くにあるカフェラウンジでお見合いを開始することに。
カフェラウンジは一面ガラス張りで、窓の向こう側に続く高層ビルの風景が実にきれいだ。Aさんは私より前を歩き、ウエイターに案内されるままについていった。案内された先には小さめの四角いテーブルと、それを囲むように設置された4席の椅子がある。お互い正面を向くように座った。
Aさん:「眺めがきれいですねぇ」
注文したお茶を待ちながらAさんの方を見てみると、少々緊張しているようだ。
しかしAさんの口からは、滑らかに言葉が出てくる。サービス業という職業柄、喋ることには慣れているのかもしれない。私はどちらかというと口ベタだから、こうして会話をリードしてくれる人の方がいいかもなあ~なんて思いつつ、話を聞いていた。
Aさん:「高いところはお好きですか?私は苦手なんですよ(笑)」
座る配置からして、Aさんの席からは窓の向こうの高層の風景がばっちりと見える。私は高いところでも平気だから、座る位置を交換した方が良かったかもしれない。Aさんが苦手だと発言した時点で、気遣いを見せられなかったことに後悔した。
ウエイターはAさんのエスプレッソと、私のアイスカフェオレを持ってきた。上品な陶器のカップと指紋ひとつないピカピカなグラスにそれぞれ入っている。何気なくAさんの方をチラっと見てみると、デミカップに入ったエスプレッソを小さなスプーンですくっては飲む、という動作を繰り返している。エスプレッソって、すくって飲むのがマナーなのかしら?
普段エスプレッソを飲まない私の脳内には“?”マークが広がった。大きな体で小さなスプーンにちょこっとだけすくったコーヒーをチビチビ飲んでいる姿は、あまりにも可愛らしく滑稽だった。
お茶を飲んで落ち着いたころ、徐々にAさんからの質問が増えてゆく。
「お勤めしている会社はどんなことをなさっているんですか?」
「お休みはいつですか?」
「お休みの日は何をなさっているんですか?」etc……
とめどない質問攻撃。
ひとつ回答すると、次の質問。それに答えると、さらに質問がやってくる。
このパターンが延々続く様子で、まるで尋問にあっているかのよう。あまりにも質問が続くものだから、ひと呼吸おいて次の質問が来る前のタイミングを狙い、私の方も質問してみた。
私:「Aさんって、P社という結婚相談所にいたことありますか? 私、以前にもそのP社でAさんからお申し込みをいただいたことがあるので」
一瞬、エ!? という表情になったAさんだったが、P社にいたことを認めた。その話しぶりからは、今でもP社を利用しているようだった。
しかし申し込みをしたことについては、そんなことあったかなーという表情。
逆に、「よく覚えていらっしゃいますねぇ!」と感心された。
お見合いを受ける前に自分の手元にあった両方のプロフィールを見比べたときは、両者とも同じものだったから同一人物に間違いない。しかも、「おにぎり君」ほどインパクト大の顔を忘れられるはずもない。
っていうか、自分からお見合いを申し込んだ相手の顔を忘れているってどういうこと!? 2度も同じ人に申し込んだのに忘れているって、ちょっと失礼ですよね? そこまで本気じゃなかったのかも……。Aさんの態度を見ていると、そんな風に思えてきた。
2度も申し込まれたから、それだけ本気だと思っていたのに。
そんなことを考えていると、我が目を疑うような光景が飛び込んできた。
目の前に座っているAさんが、股のあたりをゴソゴソとイジっているのだ(当然ですが、ズボンの上から)。一体何してるの?と思うけれど視線を動かすわけにもいかず、私はニッコリと微笑みながら心の中で悲鳴をあげていた。
Aさん、2度の申し込みの話を聞かされて、イヤになったのでしょうか?
それとも、遅刻した私への仕返し?
で、お見合いの結果はというと、もちろんレディの前で、はしたない行動をしたAさんはお断りすることにしました。そして次回からは、「絶対に遅刻しないぞ」と誓う私なのでした。