HOME » 自腹で潜入レポート » この相談所の潜入レポート » 誠心お見合いレポ①「エリート男の気になる実態」
入会してから一度もお見合いが成立していない私に、ようやくチャンスが巡ってきた。この日会うことになっているAさんと知り合ったキッカケは、パーティー。お見合いパーティーをまったく楽しめず、早く終わることだけを待ち望んでいた私に声をかけてくれたのが、Aさんだった。気さくに話ができるところや物腰の柔らかさ、人懐っこい性格などが好印象で、この人ならもう一度会ってみたいと思えたのである。
仕事で忙しかったけれど、定時きっかりに退社。お化粧直しのためデパートのトイレに向かった。待ち合わせの時間までは30分あるから、その間に崩れたメイクを整えるのだ。
目元は、気持ち太めにアイラインを入れて目ヂカラをアップ。カールしたまつ毛は、マスカラでボリューミーに。アイシャドウは淡いピンクをチョイスし、まぶたにうっすらとのせていく。ほんのりと色づかせたい頬にはチークを馴染ませ、ふんわりした印象に仕上げる。唇にはグロスをたっぷりと塗り、うるツヤに。最後にヘアスタイルを軽く手で整えたら完成!
ざっと身だしなみを整えると、急いで待ち合わせ場所に向かう。約束の2~3分前には到着し辺りを見回すが、Aさんの姿はまだない。念のため、すでに到着したことをメールで報告。しばらく待っていると、少々慌て気味のAさんが現われた。
Aさんは少し離れたところから私を見て、一瞬首をかしげた。初対面したパーティーから2週間以上が経過していると、相手の写真が手元にあるわけじゃないから印象が薄れてしまう。私も記憶にあるAさんのイメージしかなかったため、ようやく巡り会えたときには、ちょっとホッとした気分になった。
ここまで、ずいぶん急いでやって来たのだろう。Aさんは「遅れてすみません」と言いながら、呼吸を整えている。手には、これから向かおうとしている予約済みのお店の地図が。2人とも初めて行く場所だったから、地図を頼りに向かった。
到着した先は、私が希望していた和食系のお店だ。案内された部屋に入ると、席が横並びの個室。並んで座ると目の前には壁が広がる……という微妙な作りの部屋だった。私とAさんは肩を並べて座り、落ち着いたところでビールを注文した。
ビールを待ちながら改めてAさんの風貌を見てみると、靴と時計は一流のブランドもの。しかし髪型には、まるでこだわりがないようで、もう夜だというのに寝グセが……。
一日中働いていたとはいえ、あまりにヨレっとしたシャツも気になる。独身のサラリーマンであってもAさんくらいの年齢になれば、たいがいノリの効いたワイシャツを着ているものだが、Aさんは洗いざらしのワイシャツをそのまま着ているようだった。
ずいぶんと、私に気をつかうAさん。先ほど道に迷ったときは「事前に下見をしておけば良かったよ」と言っていたし、メニューを決めるときも私の希望を優先してくれた。ただ、私に合わせるばかりでなく、苦手な食べ物を尋ねつつ自分の食べたい料理も一緒に選ぶというバランスの取れた注文の仕方だ。
Aさんとはパーティーで話したといっても、ごくわずか。そこでもう一度、仕事や家族、休みの日の過ごし方などを尋ね、パーティーで話した内容をおさらいしていった。
そうした会話をしながらAさんを見ていると、気になることがいくつか出てきた。まず、食べ方である。おいしそうに食べるのはいいのだが、口の周りに食べ物の汁や口に入りきれなかった食べカスがついている。そしてジッとしていられない足元は、子供みたいにプラプラさせて落ち着きがない。
極めつけが目線だ。ずいぶん話して親しくなってきても、一向に私の目を見ようとしないのである。パーティーでは、そんなことなかったのに……。まあ、今日は肩を並べて座っているから、視線を合わせづらいのは仕方がない。とはいえ、あまりに私の目を見ず下ばかり向いて話しているから、パーティーでの親しげだったAさんとは別人のようなのだ。
気を取り直し、パーティーの話題に戻る。
するとAさんは、初めて耳にする誠心に関する話を持ち出してきた。
友だちに誘われたパーティーがキッカケで、入会したというAさん。通常の登録にはたくさんの提出物を準備するが、Aさんの場合、卒業証明書・印鑑・身分証くらいしか要求されなかったという。しかも新規の会員登録者をパーティーに同行すると、参加料金はタダ。現に私が1万円以上を支払ったところ、Aさんは無料参加。誠心には男性会員が少ないため、男性には勧誘の営業電話が頻繁にかかってくるほか、開催当日のパーティーに申し込んでも出席が可能だというのだ。
私が知る限り、女性は抽選でしか参加できない。Aさん曰く、「誠心は明らかに女性会員が多いから、パーティー会場には、いつも女性が余っている気がするよ」とのこと。Aさんが以前に出会った女性会員は、開催日の前日に当選済みのパーティー参加を断られるなんてことがあったのだとか。
またAさんがこれまでに参加したパーティーでは、男女共に何人もの参加者がカブっていたという。パーティーは毎週行われているから、お決まりのメンバーがいるのかもしれない。
ハイレベルな男性が集まる相談所だけに、女性が多いのは納得できる。しかし性別によって、相談所側の対応や会員の意識にも差があるように思えた。すべての人が当てハマるわけではないだろうけど、女性が真剣に結婚を考えて入会している一方、男性は軽いノリで参加している。Aさんにも同じノリが感じられ、結婚には遠い人という気がした。
そろそろ帰る時間。この日の合計金額は、約8,000円。Aさんに懐の深さを期待していると、クレジットカードを出してきた。でもカードを出したからといって、ごちそうしてくれるとは限らない。
そこでひとまず「お幾らですか?」と聞き、財布を出して支払う気持ちがあることを示してみた。するとAさん、「えーっとねぇ、じゃあ3,000円でいいよ」。そう言われ、私は3,000円を支払った。
ステータスの高い誠心の男性とはいっても、ワリカン……。まあワリカンはアリだとしても、女性に支払いのことを先に言わせるのは、紳士的といえない気がした。お金のことでハラハラさせない、余裕のある対応がほしかった。例えばカードを出した時に「今回は最初だから奢るよ」と言ってもらえたら、私も「割り勘にしましょう」と言えるのに。初めは気配り上手と思っていただけに、お会計での配慮のなさにはガッカリだ。
お店を出た後は、駅ですんなりとお別れ。
Aさんとはその後も、何度かメールのやり取りを続けた。
しかしお互いにそこまで惹かれ合うものがなかったのか、自然消滅に終わった。