HOME » 自腹で潜入レポート » この相談所の潜入レポート » ブライダルネットVIPのお見合いレポ②「完璧!お見合いマスター」
今回お見合いするBさんは、写真で見たところ、なかなか品の良いタイプの男性だった。表情が優しそうなのに加え、服装や髪型がきちんと整えられているビジネスマンという印象だ。さらに、Bさんは高級住宅地に住んでいて、大手企業に勤めている。見た目も仕事も年収も悪くないのに、なんで相談所に入会しているのか不思議に思えた。そんな男性からの申し込みだったから、私は即座にお見合いをOKした。
ブライダルネットでは、お見合いを申し込まれたほうが日取りを指定できる。その中で都合の良い日を調整し、確定した日をスタッフが報告してくるのだ。
ところが私に連絡が来たのは、お見合いが行われる前日! その日はすでに他の予定を入れていたけれど、私の希望日に合わせてもらっているわけだから快く了承するべきだろう。忙しいことを覚悟して動くことにした。
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当日、待ち合わせ場所に到着し、お相手がいるかどうか辺りをキョロキョロと見回す。すると、エレベーター付近からBさんが歩いてきた。その人がBさんだとすぐに分かったのは、にこやかで優しそうな表情が写真と一緒だったから。
しかし、どうも頭に描いていた印象と微妙に違う。お休みの日だからなのか普段もそうなのかは分らないが、Bさんの髪の毛はボサボサ。表情もぽや~んとしており、写真で見たキリリッと引き締まった感じがまるでないのだ。それにスーツが体型に合っておらず、やや大きめでダボッと着ているだらしなさや、ワイシャツとネクタイの組み合わせのセンスの悪さも気になる。
“きちんとタイプ”のBさんだと思っていたのに、ずいぶんユルいイメージで少々落胆した。
ランチタイムと時間が重なっていたため、「ご飯はどうしましょう」とBさんが聞いてきた。この後に友人と食事する予定がある旨を伝えると、「近くにあるカフェラウンジでお茶をしましょう」と私の事情を優先してくれた。そしてBさんは、店員に空席状況を確認。席が空いていることが分かると、私のところへ戻ってきて一緒に移動することにした。Bさん、この辺のマナーは心得ているようで、テーブルの席にも私を先に座らせてくれた。
「先に飲み物だけ頼んじゃいましょうか」と言って、Bさんが注文してくれたお茶を飲みながら話をすることに。まず仕事について聞くと、Bさんは大手企業の営業職。20代の頃に転勤で上京したとのこと。
仕事はいつも外回りばかりしているから、社内恋愛などはまったく考えられないという。たまに仕事仲間や友達が合コンを開いてくれるというが、恋愛に発展することはないと言っていた。
「私は営業職のわりに緊張しやすいタイプで、喋りも得意ではないんですよ」と、Bさんは語る。癒し系の笑顔が仕事に活きている気がした。なんていうか、Bさんの微笑みには、親しみやすさや安心感のようなものがあるのだ。その微笑みによって、私の緊張も少しずつほぐれていった。
Bさんの話によれば、これまでに結婚のチャンスは何度かあったという。20代の頃の彼女とは結婚を考えたものの、破談に。その後、あっという間に30代半ばになってしまったらしい。
こうして自分のことを丁寧に話してくれるから、Bさんがどんな人なのか徐々に分ってきた。話を聞いている限りでは、とくに問題なさそうだった。
時間が過ぎていくと、話す内容もどんどん濃くなっていく。そしてBさんは「あなた良い人だから話すけど……」と言って、予想していなかった展開の話を始めた。
Bさんは、過去にいくつかの結婚相談所に入っていたことを暴露し始めたのだ。最初に入会したのは20代後半で、大手相談所の会員だったこともあるそう。相談所を利用し出したのは、元カノにフラれたことがキッカケで、一度は入会をためらったものの値下げ交渉に根負けしたという。しかし契約書に記入するまでは熱心だった担当者も、Bさんの活動状況にはまったく無関心。何のフォローもない担当者の様子にがっかりしたとか。結局、一度も交際が成立せずに退会したという。
このほかにもBさんは、これまでの相談所経験を淡々と話して聞かせてくれた。そして最後に、こう言った。
「結婚相談所はね、やっぱり丁寧にカウンセリングしてくれるところに限りますよ」
ブライダルネットVIP以外の相談所も加盟しているIBJを通して出会ったBさんは、私と違う結婚相談所の会員。
彼は、その相談所には満足げな様子だった。
トークが終了すると、「そろそろ帰りましょうか」とBさん。レジに向かうと、「ここは私が……(支払いますよ)」という感じでひと声かけてきた。私が「ごちそうさまです」と言える“間”を設けてくれたのだった。この気づかいには、Bさんの優しさをほんのりと感じた。
帰り道を一緒に歩いて駅に到着すると、「ここでお別れをしましょう」とBさんのほうから切り出してきた。
相談所を利用した出会いに慣れているだけあって、行動がスマート。Bさんのお見合いのマナーは完璧だった。
ただ最後に話した結婚相談所の経歴トークには、どうも引っかかるところがある。もしかすると最初のうちに自分をすべて知ってほしいとの思いから話したのかもしれないが、初対面で相談所の利用遍歴を詳しく聞かされ、どう反応したらよいか困った。というか、何年にも渡っていくつもの相談所に入会しているのに結婚できないBさんは、何かしら問題があるのかもという不安が拭いきれなかったのだ。
この日のお見合い結果は、担当者に報告しなくてはならない。私はイエスとノーのどちらを返事するべきか悩んでいた。報告しないまま翌日になると、相談所から結果報告の催促メールが。
私はBさんに対する心の引っかかりを取ることができず、お断りの返事をすることにした。