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自腹で潜入レポート お見合い編

ツヴァイのお見合いレポ②「“自然体”って自分勝手のことですか?」

お見合い基本データ
お相手:33歳 会社員 年収:不明
掲示板にて交際を申し込まれ、何度かメールでのやりとりを行ったあとお見合いを決行。

 

【出会い】多趣味で忙しい人

ツヴァイから紹介された人とのお見合いをするつもりが、なかなかお見合いが成立しない。

そこでAさんのときと同じように、掲示板で申し込まれたBさんとお見合いすることにした。Bさんからの交際申込み用紙に書かれている内容を見ると、多くの趣味を持ち行動力のあるタイプのようだった。

友だちが多そうで、ライフスタイルもかなり充実している模様。
性格も明るそうだし、見た目も標準。相談所を利用しなくても、充分に出会えるでしょう?と思えるタイプだったのだ。

初メールを送ると、掲示板で私のプロフィールを見たのがずいぶん前だから、私のことをあまり覚えていないという返事がきた。自分で申し込んだのに覚えていないというのは失礼じゃないかと、ちょっとイラッとした。

Bさんから改めてプロフィールや自己紹介が届いたため、私もプロフィールをメールする。すると今度は、Bさんが自分撮りした写メが送られてきた。唐突に自分撮りの写メを送られてくるなんて、びっくりしてしまう。
しかも、ツヴァイの検索システムでBさんの顔はチェックしていたから、送ってもらう必要はなかった。だけど気を利かせて送ってくれたのだから、それには感謝しておこう。

その後もメールでのやりとりは続き、お互いに相手のことが徐々に分かってきた。
Bさんは、いつも忙しく動いている人だという。地方出張から帰ってきた翌日の早朝からゴルフ出かけ、また仕事で地方に出払うなど、あまりジッとしているタイプではないようだ。

あるときは、いくつもの質問を立て続けに送ってきた。
積極的に私のことを知ろうとしてもらえていることは嬉しい。
その反面、質問ばかりの内容が続き、軽く尋問されているようで気持ち悪さが出てくる。

ただ、ぜいたくは言っていられない。私にはほかにお見合いする人がいないのだから……。
そう自分に言い聞かせ、初めてのメールから2週間が経過した頃に、お見合いすることとなった。

【初対面】ペースを乱され、テンパる私

いつも忙しく動いているBさんとの初お見合いは、平日の仕事帰りの時間帯となった。できれば週末にゆっくりお会いするというのが望ましいけれど、Bさんの場合は仕方がない。仕事が忙しくバリバリ働いているイメージがあり、どんな人なのか興味が沸いてきた。

Bさんとの待ち合わせ場所は、新宿駅東口。約束の時間の5分前に私は到着していた。
しかし時間になっても、お相手の姿は見当たらない。
すでに約束の時間は過ぎているというのに、どうしたものか。

その場で待ちながら、到着を知らせるためのメッセージを作る。メールを作成しつつも、沢山いるサラリーマンの中から記憶にある顔を探し出そうとした。

すると、少し遠くに携帯をいじる男性を発見。
姿や形も写真で見たBさんに近いものを感じる。
もしかしたら……と思い声をかけると、やはりBさんだった。
実際に対面すると、写真のイメージより小柄だった。
お疲れなのか、Bさんの口のあたりには無精ヒゲが目立っている。

Bさん:「どうもはじめまして。先に到着していたから、あの人かなーとは思っていたんだけれどね」

Bさんは、私より先に待ち合わせ場所に到着していたのだという。どうも、今日会う私がどんな人間かを探っていたらしい。なんだか、自分の知らないところから見られていたと考えると、ちょっと気味が悪い。

でも実際に会ったことのない者同士が、声をかけ合うというのは勇気がいる。しかもBさんの場合、私のプロフィールさえもうろ覚えなのだから、顔だってはっきり分からないだろう。

2人そろったところで、新宿の繁華街に向かって歩き出す。
その間、Bさんはずっと携帯をいじっている。で、携帯をいじりながら「何か食べたいものありますか?」と聞かれた。その様子を見ると、まだ店を取っているわけではないらしい。

好きな食べものを聞かれたので、和食が好きと答える。
すると、「そうだな~鳥なんかがいいな~」と言いながら、私を置いてズンズン先に歩いていってしまう。
どこかいいお店でも知っているのかなと思いながら、Bさんの後についていくことにした。

お見合い相手の前で携帯をいじりながら歩くというのは、よほど忙しい人なのか、それとも無礼な人なのか。ようやく携帯をカバンにしまい、話し出したBさん。その内容はどんな仕事をしているかというものだった。

話を聞きながら10分ほど歩いただろうか、それでもまだお店の場所には辿りつかないらしい。
Bさんのペースは、ヒールを履いている私には早すぎる。どこまで歩くのか気になったため、目に留まったビルの看板に“鳥”の文字を見つけ、「もしかすると、あそこのお店ですか?」 と尋ねた。

すると、「あーあそこにしましょうか」とBさん。
その答えから察するに、Bさんはとくに予定していた店があったわけでもないようだ。

その後、Bさんはブツブツとひとり言をつぶやきながら「鳥の店」が入るビルの案内看板の前に立つ。そして「どこがいいですか?」と聞いてきた。
鳥料理の店に入るんじゃなかったの? と私は思ったのだが、「ん~、私こういうときお店を選べないんですよねぇ」と言ってみた。

Bさんは、鳥料理が食べたいのだとばかり思っていたのに、次には「寿司と蕎麦ではどっちがいいです?」と聞いてくる。なんだか、店のチョイスがすごくいい加減な気がしたのだが、後々考えてみたら私が最初に希望した和食の店を中心に探していたようだ。

それにしても手順が悪すぎやしないだろうか。
仕事帰りで疲れているというのに、けっこうな距離を歩き、店選びも適当。
結局、鳥でもそばでも寿司でもない鍋料理の店に入ることとなった。
店選びだけでひと苦労である。

【お食事①】自然体というか身勝手?

お店に到着するまでが身勝手だったため、Bさんには多少の不信感を抱いてしまっている私。
しかし、その後のBさんに目立って変なところはない。
私の好きな食べ物も聞いてくれるし、これがおいしいかもと提案もしてくれるなど、ごく自然な展開でメニューを決めていく。

話題は主に、Bさんが経営している会社について。自分が社長だとひけらかすことはないが、「経営がうまくいかない」、「おれって社長の器がない」などのネガティブな話題が出てくる。

ちょっと待ってほしい。
このお食事会は「お見合い」。結婚を考えた男女が知り合う初対面の場である。
そんな場所で、初めから仕事の不安定さを語られても困ってしまう。

たしかにBさんは、お店の席に着いたときこう言っていた。

Bさん:「普通、初対面だときちんとするものなのでしょうけれど、付き合っていけばお互いのことは自然と分かっていくもの。私はね、飾るのが好きじゃない。いたって自然体の姿を見てほしいと思っているんですよ」

その発言が出たとき、それまでの相手のペースに合わせようとしない早歩きや携帯をいじる姿など、マイペースで気ままな行動にも納得がいった。
「自然体で飾らず」とはいっても、自分本位すぎるのは大人のマナーから外れてしまっている気がする。

初対面で「仕事がうまくいっていない」という話をされても、その人と結婚したいとは思わない。
相手のことをどんなに好きだったとしても、一度は考えてしまうのではないだろうか。

それが初対面でいきなり話されたら、この時点で女性が帰ってしまう事だってありうる。

【お食事②】気になる緑の物体は……

あったかくておいしい鍋をつついていたから、そんな話もなんとか穏やかに聞けた。
しばらくして、私の目にある光景が飛び込んできた。

Bさんが家族や身内の話をしたときだった。
満面の笑みのBさんの表情には、またしても“飾らない一面”が覗いた。

歯の隙間にグリーンの物体が思いっきり挟まっているのだ。
おそらく鍋の具にあったニラだろう。

私はここで葛藤することになった。
歯の隙間のニラを指摘すべきかどうか。
今までのBさんの態度から指摘したところで、恥ずかしがることなさそうだ。

そう思ったところで、どうしても言うことができない。

臆病者の私は、結局歯の間にニラが挟まっていることをBさんに伝えることができなかった。
そうこうしているうちに、Bさんがトイレに立ち上がり、私は内心ホッとした。
トイレに行けば鏡を見るはず。そこで歯にニラが挟まっていることに気づくだろう。
歯の間にモノが挟まっていると、なんだか気持ち悪い。きっとBさんもそうに違いないと思った。

しかしトイレから戻ってきたBさんの口からは、グリーンのものが見えていた。
その後お別れするまで、ニラは定位置を保ち続けていた。

どこまでも自然体なBさん
私はそこまでナチュラルではいられない。