HOME » 自腹で潜入レポート » この相談所の潜入レポート » ツヴァイのお見合いレポ⑥「オトコ磨きはやっぱり重要」
Fさんは、掲示板を通してお見合いを申し込んできた。ツヴァイのパソコンで初めて見たFさんの第一印象は、研究のお仕事をしている人そのもので、物静かな雰囲気だった。写真のFさんの目は強く、光るものを感じたため、連絡してみることにした。
Fさんと私は年齢が近いせいもあって、会う前のメールのやりとりはかみ合っていた。Fさんが最近ハマっているというお茶の話にも興味があったから、メールをするのが楽しかった。
お見合いの日取りはすんなり決まり、お互いの家からそう遠くない新宿で待ち合わせることに。当日は週末だったから、新宿駅前は予想通りゴミゴミしていた。待ち合わせ場所に行ってみると、1人で誰かを待つ男性の姿というのはあまり見られない。そんな中、ポツンと佇んでいる男性を1名発見。
その男性は携帯の画面を見ながら、ニヤニヤしている。
(あの人かしら……)
何を見てニヤニヤしているのかは分らないけれど、ひとりでニヤけているのって、はたから見ると気持ち悪い……。あの人だったらイヤだなぁと思いつつFさんにコールしてみると、受話器を耳に当てたのはやっぱりニヤニヤしていた男性だった。
実際にFさんと並んでみると、女性の私と同じくらいの背丈で写真よりずっと華奢。写真の中のFさんは男らしいタイプに見えていたから、私は内心ガッカリしていた。
「初めまして」と挨拶し、まずは落ち着いて話ができる喫茶店へ向かうことに。その道中、Fさんの全身をひと通り眺めていると、違和感が襲ってきた。
Fさんはナイロン地のジャンパーを羽織っていた。そこからは赤系チェックのネルシャツがコンニチワしているが、このシャツにストリート系のようなオシャレっぽさは、まるでない。
それどころかネルシャツは分厚い素材のシャツなのに、ズボンの中へ無理やり押し込めたかのように見事に“IN” していた。パンツというよりズボンと表現したくなるソレには、ウエスト部分でカチャッと調節できるおかしなビニールヒモがついている。さらに下の方へ目線を落として足もとを見てみると、明らかに見栄えなど気にしていない歩きやすさ抜群な、普段履き用のノーブランドスニーカー。
これらを目にして思った。ずばり、Fさんってアキバ系!?
とても、お見合いにやってきたとは思えない格好なのである。
申し訳ないが、Fさんのお見合い用ファッションを勝手に採点するとしたら、間違いなく赤点だろう。私はFさんのアキバ系ファッションに気づいた途端、何年か前に流行った「電車男」に出くわしたような気にすらなった。
私が驚いたのは、服装だけじゃない。仕草や振る舞いの中にも、私が抱いていたイメージとのズレがあった。
Fさんは私と会ってから、とても楽しそうなのだが、喋る合間に「キャッ!」とか「ぅふっ♪」といった女っぽいハシャギ方や笑い声が混じるのである。Fさんの声は甲高くてしゃがれていたため、オネエ系に近いものがあった。さらにハイテンションになったFさんは、ピョンピョン飛び跳ねるというかわいらしいクセも持ち合わせていたから、男っぽさとは程遠い人だった。
私は、この時点ですでに“Fさん却下”と頭の中で思っていた。しかしここで引き返すわけにもいかず、喫茶店に行く決心をした。
少々シャレた喫茶店に入ると、独特なファッションセンスと振る舞いをするFさんは、周りからの注目の的。私は、ジロジロ見られることが気になって仕方がなかった。
服に無頓着な男性というのは、女性や外部との接点が少ない気がするけれど、それにしてもだ。私が相談所で出会った男性の中でも、Fさんほど服装に気を使わないタイプは初めて。見た目がすべてではないけれど、お見合いのようなきちんとした場では身だしなみを整えたほうがよいと私は思った。
見た目の冴えないFさんだが、話すテンポはいい感じだ。
大学の頃からひとり暮らしをしており、炊事・洗濯・掃除の家事全般を自分でこなしているんだとか。最初の頃こそ、野菜の皮むきや調理方法、味付けなど分からないことだらけで悪戦苦闘していたが、今ではなかなかの腕前らしく、夕食はほぼ自炊しているのだという。
男性にしてはマメだし、家事全般をこなせるのは魅力的な部分のひとつだ。
趣味の話では、2人とも映画が好きという共通点を発見。その中でFさんは「ぼく、アニメも好きなんですよー」と、自ら発言してきたのである。ヲタクと決めつけていた私はFさんの正体を暴こうと、どんなアニメが好きなのか尋ねてみた。ところが想像に反して、「宮崎駿のアニメとかですねぇー、ぅふ♪ あとは、子供の頃に見ていたのとか~……」と一般的なアニメのタイトルが出てきたのだ。もしかしたら、正体を隠すために当たり障りのない回答を用意していたのかもしれないと思いもしたが、ひとまず安心。
そして見た目がアキバ系だからといって、中身までヲタクだと決めつけてはいけないと反省した。
結局Fさんとは喫茶店で2時間ほど過ごした。
会話はメール同様にかみ合う部分もあったのだが、ダサダサファッションのFさんとの将来は考えられず、もう一度会いたいという気持ちにはなれなかった。そして、私には「電車男」のエルメスさんのように、男性の内面だけを見ることはできないことも分かった。お見合いの翌日には、Fさんにお断りのメールをした。サファッションのFさんとの将来は考えられず、もう一度会いたいという気持ちにはなれなかった。そして、私には「電車男」のエルメスさんのように、男性の内面だけを見ることはできないことも分かった。お見合いの翌日には、Fさんにお断りのメールをした。